昨日、最終日の大阪は疲れがたまって集中力が切れたのかチョンボ連発でしたけどね(苦笑)でも大事に至らなくて助かりました。
来月は8日にまた客先作業があるもののそれくらいだし、ちょっとは落ち着けそうです。ブログの更新頻度もまた戻せそうかな。
さてさて。今日の本題。◇L25のCMです。
L25は「女子力を上げよう!」というテーマの情報系フリーペーパーみたいですね(中身見たこと無いから実態は知らん)。
で、そのCM。ショートコント的なエピソードのオチで必ず流れているのがサティの「官僚的なソナチネ」なんです。
L25でピンと来ていない人は、◇CMギャラリーをご参照あれ。
で、サティを知らなくてもCMを見て「あれ?どこかで聴いたことあるような?」という印象を持った人もいるかもしれません。
それもそのはず、この曲はクレメンティのソナチネOp.36-No.1をパロった曲なんです。
今も昔も国内外問わずこの曲はピアノの練習曲として定番のようです(もちろん私も経験者)。あまりに定番なので「はいはい、ブルグミュラーが終わったらこの辺やらせりゃいいでしょ」と形式的に考えていた先生もいた(あるいは、いる)かもしれませんね。
少なくともあちこちのピアノ教室で腐るほどこの曲が流れ続けてきたことは確かです。
そんなこの曲が「そういうもんだから」とまるでルーチンワークのように形式的にあちこちで繰り広げられているのを“官僚的”と名付けるところにサティの皮肉屋としての一面が顔を覗かせているかと思います。そしてそういうところが大好きな私です(笑)
同様の趣旨のものとしては、サン=サーンスの「動物の謝肉祭」でハノン的な音階運動に明け暮れる「ピアニスト」が挙げられるかな?ドビュッシーの「子供の領分」より「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」もクレメンティの練習曲集「グラドゥス・アド・パルナッスム」を引用して、これを嫌々練習する子供を表現してます。
…はい、ぜーんぶフランス人ですね(笑)
こういうのが「エスプリ」なのかしらもしかして。
さてさて、話をサティに戻さなきゃ。
「官僚的なソナチネ」は元ネタのクレメンティと同様の3楽章構成。そしてその各楽章は元ネタの対応する楽章をそれぞれパロっています。こういう忠実ななぞり方も官僚的と言えるかもしれません。この徹底的な皮肉り方には惚れ惚れ(笑)
内容はとってもシンプルにまとめられています。そして元ネタを知らない人が聴いても非常に聴きやすく仕上がっていますね。クレメンティをなぞっているようでその和声の進行にはサティらしい奇抜さもそこかしこに。ジムノペディなんかに比べれば知名度は格段に落ちますが隠れた名品と言えるでしょう。
そしてこの曲には楽譜のあちこちに音楽的な指示として役人の一日が物語的に書き込まれています。これはサティの中期以降の作品にはよく見られる形式です。
こちらのページにその物語がまとめられています。一緒にMIDIファイルも置かれているのでぜひ見てみて下さーい。
↓↓↓↓
◇快楽原則 - 「官僚的なソナチネ」:エリック・サティ
上のリンク先読むとね、なぁんか社会人って今も昔も考えてることはあんまり変わらないかも?
特に第2楽章なんて、こんなこと考えてる人は今でも沢山いると思われます。私も似たようなことをたまに思ったり(苦笑)
うちにあるCDでいちばん勧めやすいのはロジェのものです。
![]() | 3つのジムノペディ〜サティ・ピアノ作品集 ロジェ(Pf) 3つのジムノペディ、ジュ・トゥ・ヴ、 4つのしまりのない前奏曲(犬のための)、あやなす前奏曲、 4番目の夜想曲、古い金貨と古い鎧、ひからびた胎児 6つのグノシエンヌ、官僚的なソナチネ、ピカデリー ◇このアイテムの詳細を見る |
演奏にクセが無いので素直に聴けるかと。チッコリーニの演奏も面白いのですが、特に第3楽章のテンポをかなり弄くっているので好き嫌いが分かれそうな気がします。
ちなみに、元ネタのクレメンティは例えばこちら。(※全てYouTube動画です)
■第1楽章
◇YouTube - Suzuki 10-Piano Concert 2000 - Sonatina Op. 36 No. 1 Allegro
…この動画の発表会形式凄いっすね。ちょっと、いや、かなりビックリした(^^;)
生徒数が多すぎて発表会の時間が足りないのでしょうか?絶対1人で演奏した方がいいと思うのですが…
■第2楽章
◇YouTube - Clementi Sonatina Op36 No1 Movement II
…5歳だってさ(^^;)
上手いな。
指はやっぱりたどたどしいところもあるけど、ここまでしっかり弾けるなんて(しかも暗譜!)本当にピアノが、音楽が好きなんだねぇ〜。そしていい音してますよ。ちくしょーやられたぜ。
■第3楽章
◇YouTube - Clementi Sonatine Op. 36, #1 third
…なぜか連弾にアレンジされてます。そのせいで軽やかな第3楽章のはずなのに音が分厚くてめっちゃ重く聞こえてしまいます。最悪のアレンジ。
はっきり言ってこの女の子、ソロで弾ける力量が充分あるように聞こえますが?
…えーと、日本のピアノ教育事情の暗黒面を垣間見てしまいました(ーー;)
第1・3楽章の発表会、生徒の個性を発揮させないこの形式は何だろう。
そして第2楽章、指の形とかは基本から外れていますがそれでもこの中で飛び抜けて生き生きしているのは何でだろう。
確かに第1・3楽章のような発表会でもいい思い出はそれなりに残るかもしれません。演奏者の身内もまぁ喜んでくれるでしょう。そして発表会なんて結局身内相手のものなのかもしれません(少なくとも日本では)。
でもそれじゃ例えばこうやって第三者である私が見た時にとっても寂しくなる訳ですよ。自分が表現したいことを伝えられると音楽はもっと面白いよと教えてあげたくなる訳ですよ。第2楽章の男の子、楽しそうじゃん。
ピアノ発表会って、「年に1回くらい身内の前で発表させとけばいいよね」みたいな形式的な部分が多少はありますよね(上の動画は多少どころじゃないと思ってるけど)。そう考えると日本のピアノ教育界はみ〜んなサティが90年前に皮肉っていることになるのかもしれません。
頑張ろうぜ、日本のピアノ教育。って偉そうに言ってみた(^^;)
…あ、タイトルの話を終わらせてなかった(YouTubeにショックで本気で忘れてた…
要は「ルーチンワークみたいな生活、形式的なだけの生活をL25で変えてみてね♪」ってことを「官僚的なソナチネ」を使って伝えているのでしょうか?ってのは考えすぎですかね(苦笑)
そうなると、ソフトバンクがプロコフィエフに拘っている(Wホワイトは「ピョートルと狼」ですよね)のも何か意味があるのかなぁ?







