2009年08月29日

「ピアノの森」第16巻は一次審査終了!(ショパン「前奏曲」第24番ニ短調聴き比べ動画付き)

やっと出たーーーっ!

の「ピアノの森」最新巻でございます。1年以上待たされました(苦笑)
そんなこともあり貪るように読みました。ということでそのままの勢いで感想を。


※この先ネタバレを含みますので未読の方はご注意を!※













この巻でカイの演奏が終わり、一次審査の結果が発表になりました。
カイの演奏は会場全体を魅了し、3分15秒のスタンディングオベーションだった訳ですが、その演奏が「“ポーランドが解釈するショパン”じゃない!」ということで頑なに評価しない審査員もいたりとなかなか一筋縄ではいかない展開を予想させています。
そしてその審査員間の意地の張り合いの渦中にいるのがカイだけかと思いきや、審査結果は意外な方向に!
一度はまとまった通過者リストが破棄され、演奏者やマスコミ等がさんざん待たされた末に出た結果は…。
何と、優勝候補の1人であり、第14巻でも華麗な演奏を披露したアダムスキが落選!早々と姿を消すことになってしまいました。彼は地元・ポーランドの人間だというのに。
記者会見によると、彼の落選理由はあくまでも点数不足でギリギリ落ちてしまったということですが、それはさすがに納得がいかないですよね。会見を聞いていた人たちの間に「茶番だ」の文字が飛び交ってました(笑)
じゃあ真相は?というところで辛口評論家・ホフマンが考えたその真相(と思われるもの)が凄い。

  • アダムスキはショパン・コンクール審査員のような教授陣に師事していない独学のスター。そんなヤツを認めたら自分たちの存在価値も揺らぎかねない。

  • そこにレフ・シマノフスキという“ポーランドの新星”が現れた。

  • 優勝者はどうせ1人なんだし、じゃあアダムスキは(゚听)イラネ


…確かに説得力はあります(苦笑)
ポーランドの名誉と審査員たちの権威を両立するいちばんの手立ては、アダムスキ以外のポーランド人が優勝すること。当初ポーランド人奏者の演奏はどれも今イチで審査員も困っていたのですが、レフの出現でもうそのシナリオは出来た!ということなんでしょう。
「別にいきなり落とさなくてもいいんじゃないの?」という疑問も浮かびましたが、そうなると一次予選と以降の審査基準が一貫しなくなってしまう可能性が高くなるから二次予選以降ではさらに落としにくくなる。なら最初に落としてしまえ!ということなんでしょうね。
それだけレフの演奏が凄かったということでもあるんでしょうけど、さすがにアダムスキが不憫すぎます。彼は過去にもそうやって周囲から捨てられた経験がありますしねぇ…。
彼が今後報われることを祈ります(今後登場するかは分かりませんが…)。

さて、カイは二次予選に進むことが出来ました!
上に書いたように賛否両論あった演奏ではありましたが(否は審査員1人だけかもしれないけど)、ここは大丈夫でしたね〜。とりあえずホッとしました。
審査が遅れた最大の理由はアダムスキだったんでしょうけど、もちろんカイも俎上に載せられたとは思うんですよね。
ただ、カイの場合は演奏に特異な部分があるということで「落とすつもりになればいつでも落とせる」ということなのかな、それで今回は通ったのかな、と思いました。

そして修平も当然通過はした訳ですが、アダムスキが落ちたことでますます心に余裕が無くなってますね(苦笑)
今後、彼の心の闇をどう収拾付けていくのかが非常に興味あります。

この巻では他にもカイと阿字野の中学時代の苦労とか、その中でのカイの非凡さをうかがわせる名ゼリフ、

今の俺は…
今の俺に必要なモノを全部持ってる

だから時間も十分じゃないだろうけど…
きっと足りるよ!


なんかもあったりして書きたいことはいくらでもあるんだけど、長くなっちゃうんでこの辺にしておきたいと思います。

ピアノの森 16 (モーニングKC)
一色まこと


◇このアイテムの詳細を見る



さて、この巻のクライマックスはショパンの前奏曲第24番ニ短調ラストのげんこつアタックだった訳ですが、これにはモデルがいまして。
クラシックに詳しい人には結構知られていると思うのですが、1980年の第10回ショパンコンクールでのダン・タイ・ソンがそれです。

■ショパン:前奏曲 ニ短調 作品28-24 ピアノ:ダン・タイ・ソン‐ニコニコ動画(ββ)


手首が上下動する弾き方が非常に特徴的ですね。でもキレイさと力強さを併せ持つ音の粒は見事としか言いようがないです。
そしてラスト、いちばん低いレの音3発を打つのに、両脇のドとミの鍵盤を音が出ないように下げておいて、ガッテン!ガッテン!(違

この年のショパンコンクールは、このダン・タイ・ソンと次に紹介するポゴレリチの演奏に対する評価でも揉めました。ポゴレリチを猛プッシュしていた審査員のアルゲリッチが審査結果に納得がいかず途中で審査員を降りてしまったことは有名ですね。
てことで、そちらの演奏もどーぞ♪これもショパンコンクールの演奏です。

■ショパン:前奏曲 ニ短調 作品28-24 ピアノ:イーヴォ・ポゴレリチ‐ニコニコ動画(ββ)


ポゴレリチのラストは手がキツネでしたね(笑)
彼の迫力ある演奏をアルゲリッチが気に入ったのは分からなくもありません。

この曲の楽譜が見てみたいという人はこちらの動画をどーぞ。楽譜と演奏とリンクしています。
演奏は中村紘子。最後にちょっとコメントが荒れちゃってるので気になる人にはコメント非表示を推奨。

■F.F.Chopin - 24 Preludes Op.28-24 in d moll‐ニコニコ動画(ββ)


個人的にはここまで左手の16分音符の粒が規則正しくはっきり聞こえてしまうのはあまり好きではありません…。どうも気持ちが落ち着いちゃって盛り上がれないんですよね。
最後に「教科書通り」というコメントがあるのはその辺も影響してるかと思います(それをきっかけにコメントが荒れちゃってるのがニコニコクオリティ)。

さて、お次はシフ。

■YouTube - Chopin - Prelude No.24 in D Minor


非常にキレイな演奏ですね〜。この曲が「アレグロ・アパッショナート(快活で情熱的に)」と指示されていることからするとちょっと拍子抜けな気がしないでも無いですが、最後が特徴的でした!
最後のアルペジオでの下降音からレ3発まで、ペダルを踏みっぱなしです。ベタ踏み。この解決しきれない混沌とした世界の中でのレ3発に絶望感が強く漂うように思います。

次はルービンシュタイン。

■YouTube - Chopin Prelude op.28 - no.24 in D Minor (Rubinstein)


これのラストはめっちゃリタルダンドかけてます。
これはショパンコンクールでは出来ないだろうなぁ(^^;)
でも、リタルダンドによってその1音1音がグッグッと自分に突き刺さってきますよね。この効果のために、崩れ落ちるようなアルペジオを捨てるという選択が出来ちゃうところが凄いです。


この曲の演奏動画はYouTubeにもたくさんありますので(他にもポリーニ、アラウ、アシュケナージ、リヒテル、ブレハッチ(2005年の第15回ショパンコンクール優勝者)etc…)、いろいろ巡ってみるとまた面白いですよ♪


では最後に、ショパンの「24の前奏曲」を全部聞きたい!という人のためにキーシンの動画をご紹介。

◇YouTube - Chopin 24 Preludes Op. 28 (Part 1) - Evgeny Kissin

関連動画を辿れば全部(Part4まで)聴けますよ♪

ちなみに、カイが演奏した第13番以降が聴きたい、いや、第24番だけでいい、っていう人はこちらからどーぞ。

◇YouTube - Chopin 24 Preludes Op. 28 (Part 2) - Evgeny Kissin(第13番〜)
◇YouTube - Chopin 24 Preludes Op. 28 (Part 4) - Evgeny Kissin(第24番)

ちなみにこの第24番もいい演奏だと思います。最後fffのアルペジオとその合い間の弱音のコントラストが見事でハッとさせられます。




■過去のピアノの森関連エントリーです♪
◇「ピアノの森」第15巻は、まさしくカイの独壇場♪
◇「ピアノの森」第14巻でライバル総登場?
◇「ピアノの森」第13巻は、ショパン・コンクール開幕!
◇「ピアノの森」12巻は戦いの火花がバチバチと♪
◇「ピアノの森」11巻は鳥肌が立りまくり。
◇「鋼の錬金術師」11巻と「ピアノの森」10巻♪
◇「ピアノの森」7〜9巻出てました♪
◇「ピアノの森」 カイの世界に泣きました

CDブックの感想も。
◇「ピアノの森」のCDブックは…いいかも♪


posted by ぽぽろんろん at 15:57 | ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | books & comics
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。