2010年10月30日

スピッツ「とげまる」はとげ分多めでガツガツ進む意欲作

てことで、スピッツの新譜「とげまる」を発売日前夜に購入してから粛々と聴いております。

今回のアルバムは全14曲中シングル曲が5曲(「ビギナー」「シロクマ」「つぐみ」「若葉」「君は太陽」)、そのカップリングが2曲(「恋する凡人」「花の写真」)入っているため、初見の曲の割合がちょっと低いのが少し残念。←考えがセコい
だけど!だけどだけど!今回もいいアルバムに仕上がってますよ、奥さん!!

「とげまる」というタイトルはスピッツというバンドの曲作りの意識(「とげ」と「まる」)を表しているということ。
普通の人には「スピッツ」というとおそらく「まる」の印象が多いと思うのですが、このアルバムはゴリゴリと押してくる曲が多いので、「とげ」部分を存分に味わうことが出来ます。
というかこのアルバム、ゆったりとしたバラードが無い!
テンポで言うなら「新月」だけどこれはかなりとんがったアレンジだし、曲調で言うなら「聞かせてよ」だけどこれもテンポとしては少し速め。
普段スピッツの曲をシングルしか聴いていない、というような人にはぜひオススメしたい1枚です。
では、各曲簡単に感想を(各曲ごとには簡単にしたんだけど、14曲もあるので結局めっちゃ長くなってしまった…orz)。


■ビギナー
これを最初に持ってきたか!という喜び。

未来からの 無邪気なメッセージ 少なくなったなあ


の言葉でこのアルバムが始まるんだけど、その後で未来(2トラック目以降)から無邪気なメッセージが押し寄せてくる嬉しさ(^^)
この曲はおそらく大人の方がより深い共感を得られると思います。

慣れないフォームで走りつづける


ことや

つまづいた後のすり傷の痛み


をより多く知っていると思うから。
そんな不器用な大人たちをそっと、しかし力強く元気づけてくれるこの曲、大好きだー。

■探検隊
「ビギナー」で「走りつづける」「動きつづける」と言った後にこの曲を持って来るところがニクい。というか、中間の「新月」まで動き続けるんですけどね。この構成は凄い。
この曲は

掟を蹴り破れ
果ての果てを目ざせ


の言葉に尽きますね。
曲調も、ちょっとオシャレなコード進行だけど無骨にグイグイ進んでいくギャップが「探検隊」とは言っても単に深い緑を進んでいくのとは違うものを連想させます。
そして「ピカプカのわけ」が果てしなく気になります。この正体が分かるようで掴めない言葉に何となく宮沢賢治の「やまなし」を思い出しました。

■シロクマ
この曲はマサムネさんの言語センスのよさをしみじみ感じさせてくれます。

ビンの底の方に 残った力で


とか

地平線を知りたくて ゴミ山登る


とかの歌詞が好きでたまらない。
「君に会いたい」的な歌は星の数ほどありますが、マサムネさんの歌詞からは他の人とは全然違った景色・心情が見えてくるのがやっぱり凄いと思うのです。

■恋する凡人
これについては◇以前結構書いてたのでここでは控えます。
が、やっぱりこの曲大好きだーっ!このアルバムの中でもいちばん好きです。この後先考えず突っ走るパワーはある意味私の憧れ。
「つぐみ」に入っていたライブ版と違った音もまたいいです。

■つぐみ
曲調は少し落ち着くけど心と体、特に心はどんどん前に行くのがこの曲。

だから 思い切り 手をのばす 手がふれる


を最初のサビに配置し、

さらに 思い切り 手をのばす 手がふれる


で最後にダメを押す。
このどん欲さは、このアルバムの流れだとさらにしっくり来ます。

■新月
このアルバムの中で最も神秘的で不思議な印象を残す曲。
タイトルからもある程度予想はしていましたが、このタイトルでの

正気の世界が来る
月も消えた夜
目を開けて


という出だしで、当初思っていた「神秘的」の内容とは180度変わります。
さて、ここでの「正気」は本当にそうなのか、それとも…。って考えながら歌詞を探っていくと面白いです。

でもこれは新月の考え方によるのかな?
私は「新月も満月同様生物に最も影響を与える」っていうことから上のように書いたけど、単純に「満月=MAX、新月=MIN」という考え方もあるのかも。そうなるとそれなりに普通の歌詞になりますよね。
この辺、満月ではなく新月をチョイスしたマサムネさんのセンスなのかも…、てのはきっと穿ちすぎ(笑)

■花の写真
曲調的にはここで一休み。歌詞は結構切ないけど。
個人的にはこのアルバムでこれだけ浮いちゃってる印象が(^^;)
これ外して「オケラ」入れるともっと統一感が出るよなぁ、とか考えつつ、それだと聴き飽きる可能性もあるか。14曲あるしね。
今日10/30、台風が来ている中でこれ聴いてると、

鮮やかな 雨上がり


がますます待ち遠しくなります。

■幻のドラゴン
これ聴くとタイヤが欲しくなります。←ウソはよくない
ちなみにブリザックはスタッドレスタイヤなので

ザクザク坂も登る


という歌詞とは多少の違和感。スパイクタイヤの方が合うよね。まぁ、今じゃスパイクタイヤの需要なんて…でしょうけど。ていうかもう売ってないのか?車持ってないから全然知らない。

それはおいといて。
この曲では2コーラス目の歌詞が好きです。

予感もなく突然あらわれた赤い果実
優柔不断な気持ちはマッキーでぬりつぶす
ありがとうとか 言われたくて
危ない道あえて選んでは 突き進んでいく


「赤い果実」はほぼ間違い無くリンゴですよね。
これに対する誘惑をマッキーで塗りつぶす。この強烈な否定。あるいは見ると負けちゃうからかもしれないけど(^^;)

曲調や

小さいけれど 強気なドラゴン


の歌詞からもこのドラゴンからはまだ若さというか幼さも見えるので、こういう突っ走り方が合いますよね。

■TRAVANT
「紙で出来た車」と揶揄された(実際には繊維強化プラスチック製だそうな。知らなかった)東ドイツの大衆車・トラバント。
このタイトルだと

崩れそうな背景


配給される悦び


高い柵を乗り越えて


の歌詞に統一以前のドイツを連想してしまいますね。

寸前の街で生まれて しずくに群がるアリの
一匹として生きてきた フェイクの味に酔い


なんかはトラバントにぴったりかも。
これもグイグイ突き進んでいくハードロック調の曲がたまりません!ちょっと歌謡曲っぽいのもいい♪(というか、マサムネさん曰く「スピッツ風歌謡ロック」とのこと)
また、このアルバムで短調の曲はこれだけとのこと。言われてみれば確かに。それだけにこの曲のエッジの鋭さが際立ってますね。

ちなみに、仮タイトルは「シャラポワ」だったそうな。なぜ?(^^;)

■聞かせてよ
「TRAVANT」の後でホッとするひととき。

聞かせてよ 君の声で 僕は変わるから
新しい甘い言葉で 愚かになりたい


う〜ん、安心のマサムネクオリティ。
彼は男女のイチャイチャ描写にこういう感じのフレーズをよく使いますよね。

そして僕も答えるように つぎはぎしながら
ありふれた愛の歌 歌いはじめる


の歌詞も初々しさが見えていいですね。

■えにし
これ聴くとランチパックが食べたくなります。←あながちウソでもない

「えにし」という古い語感のタイトルだけど、曲はポップで聴きやすいです。
サビの

伝えたい言葉があふれそうなほどあった


の「あふれそうな」などで気持ちいいほど音が高くなるのが歌詞とリンクしてて好きです。
この曲はサビの気持ちよさが異常ですね。カラオケでその快感を味わってみたい1曲。

■若葉
「えにし」からの流れで聴くとたまらないです。
「若葉」という言葉にこういう切なさを込めるってのがステキ。
この曲を聴くたび、間奏前の

一人よがりの意味も 知らないフリして


の言葉が心にもの凄く残ります。

■どんどどん
「タイトルがすでにグルーヴィー」(by崎山さん)
「歌詞は楽しんで作りました」(byマサムネさん)
の言葉にこの曲は集約されてるかも。

いきなり始まる「どんどどんどどど」のリズム。そこに乗っかるラップ的なフレーズ。
それと対照的に横に流れるサビのメロディ。
音楽に身を任せて乗っかってるだけで気持ちよくなりますね〜。

歌詞では

天使もシラフではつらい


の部分がたまらなく好き。どんだけつらい世の中なんだと(^^;)
1フレーズだけ切り取るならばアルバム中でもいちばん好きかもしれないです。

■君は太陽
歌詞カードを最後までめくって

理想の世界じゃないけど 大丈夫そうなんで


の言葉を見た時に、「ビギナー」で走り出した先が1つ見えた気がしました。
◇前にこの曲の感想を書いた時にはこの終わり方に不安を覚えた私ですが、こうやってこのアルバムを巡ってきた後だと「これもありだな」と(笑)
このアルバム、グイグイ前へ進んでいく曲が多いのですが、それに疲れた時は背中押してもらいながら「ま、大丈夫そうだな」ってやっていくのもありだよねと。


…てことでアルバムの感想はこんなもん(我ながら長かった…^^;)
今週はそれ以外にSONGSやMステ、オンタマにも出演ということで、久しぶりにテレビを視る時間の多い週でした。
SONGSでデビュー当時の写真やソノシート音源を(少しだけど)見聞き出来たのは嬉しかったですね〜。「鳥になって」が「花鳥風月」に収録されていたものよりとんがってる音でかっこよかったですねぇ。あれをデジタル音源にしてはもらえないでしょうか?変にリマスターせずノイズの乗ったままで全然問題ありませんので。つーかむしろそれで。
曲の方は何と言っても「恋する凡人」をやってくれたのがたまらなく嬉しかった!この曲はやっぱりよすぎる〜!><
Mステではマサムネさんがまさかの暗渠好きということが判明!そこでかつての風景を想像してるってそりゃタモリも嬉しくなるわ(笑)
ぜひ「ブラタモリ」にゲスト出演して欲しいところです。
オンタマは田村さんのメール話も結構好きだったけど、それ以上にお絵描きがよかったね。(犬の)スピッツの新しい夜明けを見ました(笑)
あれはもうネコ科の何かでしたよ、個人的には(^^;)
けど出来上がりが何となくまとまっていたのはさすがだわ。


スピッツって今年になってタイアップものが増えてきた印象があります。
今後どんどんスピッツの音楽が街中や茶の間に溢れていくといいな〜。


とげまる
スピッツ


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■過去のスピッツ関連エントリーです♪
◇山場は越えた…か?(シングル「シロクマ」)
◇スピッツ「君は太陽」は、僕のふがいなさが身にしみる(苦笑)
◇おかしいよと言われてもいい(ラズベリー)
◇スピッツ「若葉」は恋愛初心者マークの歌
◇やっと聴いたよ「民生・カバーズ」(さすらい)
◇スピッツ「さざなみCD」の海に溺れましょう(笑)
◇スピッツ「群青」は懐かしい色合い♪
◇スピッツ「ルキンフォー」は疲れた社会人にも効きます(笑)
◇スピッツ「魔法のコトバ」は普段着の装い♪
◇夏は「プール」で涼みましょ♪
◇「夢追い虫(early version)」のプチ感想
◇「めざめ」のプチ感想
◇空の飛び方 教えて下さい(苦笑)
◇「春の歌/テクテク」を聴いて
◇「春の歌」発売への前夜祭♪ その2
◇「春の歌」発売への前夜祭♪ その1

ロッキンジャパンでのスピッツ感想はこちら♪
◇ROCK IN JAPAN FES 2010 第2日はジブリとグラスの日
◇ROCK IN JAPAN FES 2008第1日は意外な収穫♪
◇ROCK IN JAPAN FES 2006第2日は熱かった&暑かった♪
タグ:スピッツ
posted by ぽぽろんろん at 13:42 | 神奈川 ☔ | Comment(0) | TrackBack(1) | pop & rock musics
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スピッツ「とげまる」感想
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