2006年02月05日

「模倣犯」読み終わったぞ♪

宮部みゆきさんの「模倣犯」。
今日のオケ練習往復の電車でやっとこさ読み終わりましたよ♪
一気に読めればよかったのですがなかなか時間が作れなくて今になってしまいました(^^ゞ
当初3巻で終わりだと思っていたら実は5巻までだったというショックを見事乗り越えた私に拍手を!(笑)←ねぇよ

この作品を読み終わっていちばん残ったのは、お腹の底の方でグルグルと変なものが動いているような不快感ですね。
それは別に作品に対する評価を下げる意味ではなくて、殺人犯「ピース」の闇の部分の描写を読んでるととてつもなくどす黒い感情がこみ上げてくるんです。嫌悪感というか憎悪というか。
中盤までの「完璧」なピースにもそれは感じましたが、終盤メッキがはがれ始めても何とか周りを操ろうと闇の部分があらわになってくると特に。
文庫本4巻の帯にもあった「人間はどこまで邪悪になれるのか?」というコピー、それに続く言葉からするとこれは共犯者(でありピースの駒の1人)である栗橋を指しているようでいて、やっぱりピースのことだったんだなぁと再認識しました。

この作品でいちばんすごいところは、やっぱりピースというキャラクターですね。
頭脳明晰、運動神経抜群でありながら誰にでも人なつっこい笑顔を見せるピース。そしてその裏にある人を人とも思わない冷酷さ、残虐さ。何よりも周りの人々を無意識に自分の思い通りに行動させる回転の速い頭と口。
完全犯罪者になろうとし、そして実際あと1歩のところまで成し遂げたこのキャラクターなくしてこの物語はあり得ません。悪役としてものすごく魅力のある人物ですね、ピースは。友達にはなりたくないけど(苦笑)

ピースがいたからこそ、彼を追いつめていく有馬義男、塚田真一、前畑滋子、高井和明などのキャラも引き立ちました。
特に有馬義男はカッコイイ
ピースや栗橋の言葉にも惑わされず、自分の人生で培ってきた経験からのいわば「生きた」言葉で2人に立ち向かう。
ピースたちの言葉が、説得力がありそうながらも実は中身の伴っていない「うわべだけ」のものなのといい対比になっています。
特に、捕まる直前のピースに言った一連のセリフはいいですねぇ。
自分の強い信念を持って生きている有馬のような年の重ね方をしたいと思っちゃいました。

この作品は前に挙げた他にもたくさんの人が登場してきましたが、全てに役割がきちんと振られていて「あいつ、何のためにいたんだ?」という登場人物が全く感じられませんでした。これもスゴイ♪
事件に直接絡んでは来ない樋口めぐみも、ただ鬱陶しいだけのようで、話が進むにつれて他の登場人物への写し鏡的役割を担ってましたし。

だからこそ残念だったのが、ピースの自白シーン。自白のさせ方がその前段階でもうバレバレだし、実際その通りだったので「え?そんなオチ?」って拍子抜けしてしまった(苦笑)
この作品、読者はにすぐ犯人が誰だか分かるので、その後は「どうやって捕まるんだ?」あるいは「どうやって逃げ切るんだ?」とドキドキハラハラ読み進めるわけです。
その話の運びもものすごく上手かったし、特に後半のピースには「そう動きますか!」と度肝を抜かれたので、それだけにいちばんのクライマックスで意表を突かせて欲しかったなぁ。
多分、前畑滋子と「山田ちゃん」との電話をあそこまで内容書かなくてよかったのかなぁ。そして、どうやってピースに自白させるかもうちょっと読者に考えるすき間を作ってくれてもよかったかも。などと素人がアドバイスしてますが(爆)
あ〜、でも想像させまくっておいてあの結果だと「こらっ!」って怒りたくなるかもしれないから(笑)、やっぱあれでよかったのかな(^^;)

宮部さんの作品はこれまで7〜8作品くらい読んだと思いますが、これは「火車」以来の面白さでした♪
理由」「魔術はささやく」「レベル7」あたりが(個人的には)あまり面白く感じなくてしばらく宮部作品は読んでいなかったのですが、今度また別の作品を読んでみようかな♪

模倣犯1
宮部みゆき/新潮社
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タグ:宮部みゆき
posted by ぽぽろんろん at 17:46 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | books & comics
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