ホルストの「惑星」は、ご存じのとおり地球を除いた太陽系の惑星をテーマにした超大作な組曲で、「水・金・火・木・土・天・海」の惑星が扱われています。
「何で冥王星が無いの?」っていうのはこれまた有名なお話で、作曲当時(1914〜16年。初演は1920年)はまだ発見されていなかったんですね。
なので特にホルストが冥王星を気にくわなかったとかいう訳じゃなく、入れようが無かったんです。
その後、冥王星は1930年に発見され「惑星」として認識されてきましたが、つい先日「矮惑星(矮小惑星)」へと“格下げ”されてしまったのはニュースでもかなり大きく取り上げられました。
ホルストが「惑星」に冥王星を入れていないのと冥王星が惑星じゃなくなったことに直接の関連性はありませんが、これによって結果的に「ホルストの『惑星』は正しかった」ことになりました。
こういう流れを見てしまうと海王星までしか惑星が無かった時代の作曲家が「惑星」をテーマとした大曲・名曲を作り上げたというのは、
“太陽系にこれ以上惑星は無いよ。だからここまでの惑星で曲を作っちゃいなよ。”
っていうお告げというかインスピレーションみたいなものを、その時代の作曲家に与えた「何か大きな力」があったんじゃないかとふと思ってしまいました。
その方が神秘さが増していいな、と思うのは私だけだねまあいいや(苦笑)
さてさて、そんな「惑星」に実は「冥王星」があるのはご存じでしょうか?
もちろんホルスト本人が作ったものではなく、ホルストの研究家でもある作曲家マシューズの手によるもの。
これはもちろん「惑星」の続編的なものとして作られています。
正確なタイトルは「Pluto, the Renewer」(冥王星、再生をもたらす者)と「惑星」のタイトルの形式を継承しており、ホルストの娘であるイモージェン・ホルストの思い出に捧げられています。
曲はホルスト版の終曲である「海王星」の雰囲気を漂わせながらも(女声合唱も用いていますし)、曲調はもっと現代音楽っぽく不協和音の多用されたものになっています。もちろんホルストのタッチともかなり異なります。
静と動とが入り交じるこの曲には破壊的な部分も目立ち「再生にはまずそれまでのものを破壊することが必要」ということが頭に浮かびました(後から調べたら、占星術でも冥王星は再生だけでなく破壊も司るんですね。私の直感が珍しく当たってた)。
曲の流れとしては、最初の神秘的な静寂が「1つの終末」を感じさせ、そこから「破壊」が始まりその後に断片的なモチーフがポツポツと浮かび上がりここから新たな「再生」が始まることを予感させて曲が終わります。
「再生をもたらす者」とはありますが、「再生」という前向きの部分よりその前に既存のものの「破壊」という後ろ向きの部分があることを印象付けさせられて興味深いです。
うちには、この曲の委嘱・初演を行ったハレ管弦楽団によるものと最近出たベルリン・フィルのものがあります。
演奏としては後者の方がまとまっている感じがしますが、前者の方が「破壊」での金管が爆裂しています。ここは好みですね。
ただし、「惑星」部分については(この2枚では)後者かな。前者も悪くはありませんがテンポとか結構クセが強いので「オススメ」とはならないかも。
![]() | ホルスト:惑星(冥王星付き) ラトル/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン放送合唱団 ホルスト:組曲「惑星」 マシューズ:冥王星、再生をもたらす者 サーリアホ:小惑星4179〜トゥータティス ピンチャー:オシリスに向かって ターネイジ:セレス ディーン:コマロフの墜落 このアイテムの詳細を見る |
![]() | ホルスト 組曲「惑星」 + マシューズ 「冥王星」 エルダー/ハレ管弦楽団、ハレ管弦楽団女声合唱団、ポーリー(Va)(*1) ホルスト:組曲「惑星」 マシューズ:冥王星、再生をもたらす神 ホルスト: ヴィオラと小オーケストラのための叙情的断章(*1) 海王星、神秘の神(スコア通りに演奏) |
片方くるっと回せば2枚の構図がそっくりだ(笑)
それにしても前述の冥王星“降格”で、この曲もビミョーな立場になっちゃいましたね。
もう「惑星」じゃないからこのCDみたいな取り上げられ方も無くなるだろうし。
…ご愁傷様でした(ぇ
過去のホルスト関連エントリーです♪
◇ホルストの室内楽っていいね♪
◇いい「1組」「2組」を見つけました♪








蠍座うまれの友人が
「守護星が太陽系から消えた…」と言っておりました。
それはそれで、ちょっと淋しいことです。
世界中の占い師さんたち、お勉強しなおしかしら。
自分としては、海王星の女声合唱の消え入るような終わり方が好きなんで、冥王星なしでもいいと思ってます。
いえいえ、多少の関係はありますよ。
「惑星」はそのタイトルからも分かるのですが、占星術的なイメージを曲に含めているんです。
そういう意味では冥王星が占星術に取り入れられていた近年では、この曲を作るのはある意味必然的でもあったんですね。
>守護星が太陽系から消えた…
そうか、それは悲しい。
まぁでも星そのものは無くならないですから。…ってくらいじゃ慰めにはならないですかね(汗
>世界中の占い師さんたち、お勉強しなおしかしら
そうなりますよね〜(^^;)
占星術の人たちはどうやってここの修正をするか頭を痛めているのではないでしょうか。
それとも「星自体はある」からそのまま行くのかな?
■あっくんさん
>作曲者の面目
自国で発見した惑星が無くなったアメリカ人よりも、マシューズの方がこの決定でショックを受けているかも(苦笑)
もちろん、ホルストは「海王星まで」のつもりで書いてますからそこで終わるのがいちばんキレイですよね。
冥王星は、「惑星」と連続して聴かずに独立した曲として扱った方がいいのかもしれないです。
だいぶ前から拝見させていただいておりましたが、
書き込みは初めてです。
この「惑星」騒動。世界中を巻き込んで、
あたかも「冥王星」が消滅してしまったかのような騒ぎでしたね。
このニュースで真っ先に思い浮かんだのが
ホルストの「惑星」でした。
Blogにも書きましたので、トラックバックさせてください。
とはいっても、内容的には全然幼稚なものですが・・・。
はじめまして♪
以前からここを見て下さっていたというのは嬉しい限りです。
>あたかも「冥王星」が消滅してしまったかのような騒ぎ
まさにそうでしたね。
実際、小さい子供の中には「冥王星が無くなった」と勘違いした子たちが結構いたみたいです。
>真っ先に思い浮かんだのがホルストの「惑星」
やっぱりそうですよね。
私もそうでしたが、せっかくだったので「冥王星」オンリーに絞ってみました。
トラックバックもありがとうございました!
見させて頂きます〜♪
この冥王星の話、今日の朝めざ●しTVで軽部さんが話してました(笑)おお〜!!ぽぽろんろんさんとおんなじことはなしてる〜!!!って思ったです。
でも一日ぽぽろんろんさんの方が情報早かったから、もしかしたら、軽部さんがこのブログみてめざ●しTVで放送したのか〜って朝から爆笑でした。
『惑星』の冥王星入りCDは今回のみかも〜とか、でも冥王星だけのシングルCDなら売れないでしょうね〜とか言っちゃってましたね(笑)
ほほぉ〜、重そうな軽部さんがねぇ(失礼な
>もしかしたら、軽部さんがこのブログみて
まぁね、その可能性は大d〆ヘ(_ _ヘ)☆\(−−;)ねぇよ
>冥王星だけのシングルCD
軽部さん「シングル」って言ってました?
むか〜〜しはあったんですけどね。有名どころを2・3曲、8cmCDに入れたものが(うちにも数枚あります)。
今は全く見なくなっちゃいましたから、売れなかったんでしょう。
「冥王星」みたいなマイナーな曲じゃ、さらに……でしょうね(^^;)
軽部さんは、『今回は冥王星入りアルバム』と言ってました。そしたら違う人が、『冥王星だけのシングル出せばいいのに〜』って言った人がいて、『いや〜冥王星だけじゃ買わないでしょう…』って辛口に返してました(笑)軽部さんはオーケストラ系からポップス系まで幅広く好きっぽいですね〜。さすが蝶ネクタイ付けてるだけあるのかな〜。
■白うささん
なるほど、そういう訳だったのですね。
それは軽部さんが正解です、きっと。
有名な作曲家だったら別だと思いますけど…。
>蝶ネクタイ
そーそー、音楽好きは蝶ネクタイが多いよね〜。
…っておい(^^;)
軽部さんは特にオペラが好きなのですよ。
クラシックの守備範囲は多分私とは違うんだろうな〜。