2008年05月24日

「ピアノの森」第15巻は、まさしくカイの独壇場♪

やっと出ました、「ピアノの森」第15巻。
発売日が(私の知る限りでは)2ヶ月延期されて「ふざけんな、単行本派の私をどれだけ待たせるんだ!」と思っていましたが、ショパンコンクールでのカイの演奏、そしてずっと謎に包まれてきたレフの演奏がついに登場です!

※この先ネタバレを含みますのでご注意を!※











阿字野や修平はもちろんセローやパン・ウェイまで会場に姿を見せ、ネット越しでは誉子も聴いていたというオールスター勢揃いの中での第1次予選最終日。

まずはレフの演奏。
本人の体調のように(笑)、繊細で透明で「クリスタル」と形容される演奏を見事に披露しました。
そしてレフがポーランド人(地元)であることや審査員にもポーランド人が多いこともあって一気に優勝候補にのし上がる。
まぁこれはほとんどの人が予想していたでしょうね。
また、レフには姉のエミリア(しかもピアノの腕はピカいち)がいたことも明らかになりましたが、この姉も謎が多くて事故に遭った後生死が明らかにされてないって一体何なんだ。
もうレフ&シマノフスキの兄弟が2人とも森の妖精だったとかいうオカルトな展開になっても驚かない気がする(笑)

さてさて。
さあ盛り上がって参りましたってな展開になってついにカイの登場ですが、これが凄かった!
さっきまでのレフ一色の雰囲気をいっぺんに吹き飛ばしました。演奏や観客等の描写への力の入れ具合も段違いで、さすがは主人公(笑)
つーかこの展開はもうカイ以外の優勝はあり得ない雰囲気ですよ。
これでカイが優勝出来ないとしたら、ファンレターにカッターの刃が仕込んであるとか靴の中に画鋲とか走りながら角を曲がったらテニスボールが大量に転がってて捻挫とか本番直前に食べ過ぎて腹痛とか、そんなんしかあり得ません(ねーよ
あとはドア開けたら上から黒板消しとか(意味不明

ということでこのエントリー、カイの演奏曲目を演奏順に聴きながら書いてました。
…疲れた。CDの入れ替えに(苦笑)
ではそれらをマンガの描写と併せながら簡単にご紹介です。

■練習曲ハ長調 Op.10-1
冒頭の左手の力強いオクターヴの響きとそこから溢れ出す右手のアルペジオで会場中に風を起こしたカイ。
佐賀に「生命を吹き込まれるような感覚」「会場を丸ごと…−まるで覚醒させていくようだ」と思わせるのにはピッタリの曲ですね。
ただのアルペジオの練習曲ではなく、そこに瑞々しさが溢れているのがこの曲のいいところ。アルペジオの上りと下りで和音が変わっていくところにそのポイントがあるのかも。
1つの和音で上り下りをやらせてしまうと単調になりそうです…。

■練習曲イ短調 Op.10-2
こちらは前の曲とは打って変わって半音階でそよそよとした風が吹く曲。聴衆をリラックスさせながらもこの二種類の風でカイは会場の心を完全に掴みます。
ちなみに作品番号(Op.)で分かるとおりこの2つの練習曲は連続しています。ハ長調→イ短調と同じ調号(この場合は#も♭も無し)の曲を長調→短調の順で並べているのがショパンの練習曲の特徴。
も一つちなみにこの次の曲、すなわちOp.10-3が有名な「別れの曲」でその次、Op.10-4はのだめが孫Ruiに触発されて狂ったように弾いていた激早の曲です。

■夜想曲第3番ロ長調 Op.9-3
有名な第2番とは違って明るさ・軽快さが感じられる曲(実際、◇スケルツァンドと指示されています)。
第一主題冒頭、半音階のフレーズは特徴的で、初めて聴くと「お?」と興味を引かれるはず。
最後のカデンツァ的な部分はとても美しくてうっとりします。

■ワルツ第8番変イ長調 Op.64-3
途切れ途切れで半音階を多用したメロディと意表を突く和声が不思議な世界を作り出します。
中間部は左手に現れる全音階(普通の音階)でのメロディが不思議な輝きを放ってハッとします。

■ワルツ第7番嬰ハ短調 Op.64-2
ショパンのワルツの中でも私が大好きなものの1つ。
第一主題の哀愁を帯びたメロディで一気にその世界に引き込まれます。
続いてはらはらと落ちてくるアルペジオもたまらない。
CDのライナーノーツには「全ワルツ中もっとも有名な作品」とありましたが、そうなのか?
日本では次の「子犬のワルツ」や「華麗なる大円舞曲」の方が有名と思ってるんだけどどうだろ。

■ワルツ第6番変ニ長調 Op.64-1「子犬のワルツ」
くるくると回る第一主題と落ち着いた第二主題の対比が楽しい小品。
第二主題で子犬がぴょんぴょん跳ねるようなラ♭の音もかわいらしいです。
この曲は、カイたちが子供の頃に出場したコンクール本選での課題曲。“コンクール”の枠に収まらなかったカイは予選落ちしてしまい弾けなかった曲です。
マンガではここで修平や誉子の心情ばかりが語られてカイ自身の思いは直接は分からなかったのですが、やっぱり嬉しかったんだろうなぁ。しかもショパンコンクールで演奏出来た訳ですからねぇ。

■バラード第4番ヘ短調 Op.52
この曲はポーランド民話を基にしているそうです。
父親が3人の息子を『宝物を持って帰ってこい』と他国に送り出すのですが、数年後3人は宝“物”ではなくそれぞれお嫁さんを連れて帰ってきた」というもので、思わずニヤリとしてしまうお話ですね。

序盤の静けさは穏やかな湖面を思わせますが(3拍子の揺れや静かに沈んでいく左手のオクターヴのメロディがそう感じさせるのかな)、カイの手にかかるとここはどうしても自分が育った「ピアノの森」になってしまうらしい(笑)
ここから複雑な絡みを見せながら段々とクライマックスへ向かって盛り上がっていくこの曲、うちのCD(ピアノ:カツァリス)だと11分以上かかりますが全然飽きさせない構成力・表現力が凄いです。

そしてクライマックスは落雷により焼け落ちた「ピアノの森」のピアノに重なります。ここで崩れ落ちていく鍵盤の描写がたまらんです。
ここまでカイは(というか作者・一色まことは)その演奏で森や月などの自然を再現させてきましたが(この巻でも鮮やかな風を吹かせました)、この鍵盤でまた新たなパターンを作り出しましたね。ちょっと鳥肌が立ちました。

ワルツやノクターン等、ショパンのとっつきやすい部分には飽きてきたという人にはぜひバラード(全4曲)を聴いて欲しいです。クラシック好きでもオケやってる人だとピアノはほとんど聴かない人ってたまにいて、ショパンの有名曲しか知らない人は彼をポピュラー作曲家的に捉えて軽んじてたりしますが違うよ、全然違うよ。
ただ聴きやすい曲を書くだけの人じゃないのよ、彼は。ていうか、そんな浅い作曲家だったらショパンコンクールなんて成り立たないですから!

YouTubeにツィマーマン版がありましたのでよかったら聴いてみてくださいな。

■Zimerman plays Chopin Ballade No. 4 - Part 1


■Zimerman plays Chopin Ballade No. 4 - Part 2


クライマックスのかっこよさは曲もツィマーマンも異常。
パート2の関連動画からブーニンの演奏も聴けますよ。聴き比べも面白いです。

ちなみにこの曲、「のだめ」第19巻でもターニャがカントナ国際コンクールで弾いています。ええ、そりゃもうとっても濃く。
それを想像してみると、「そりゃ最終的に落ちるよな…」てのが分かりますよ(苦笑)


それにしてもこの巻後半の充実ぶりは凄い。
前半の“ボクサーねえちゃん”の存在なんて読み終わったら完全に忘れてて、読み返して「あ〜、そういえばいたなぁ」と思い出しました(^^;)

カイの演奏はまだ前奏曲第13番〜第24番が次の巻に持ち越されています。気を持たせるぜちくしょう。

ピアノの森 15 (15) (モーニングKC)
一色まこと

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■過去のピアノの森関連エントリーです♪
◇「ピアノの森」 カイの世界に泣きました
◇「ピアノの森」7〜9巻出てました♪
◇「鋼の錬金術師」11巻と「ピアノの森」10巻♪
◇「ピアノの森」11巻は鳥肌が立りまくり。
◇「ピアノの森」12巻は戦いの火花がバチバチと♪
◇「ピアノの森」第13巻は、ショパン・コンクール開幕!
◇「ピアノの森」第14巻でライバル総登場?
◇「ピアノの森」のCDブックは…いいかも♪


タグ:ピアノの森
posted by ぽぽろんろん at 12:23 | ☀ | Comment(4) | TrackBack(0) | books & comics
この記事へのコメント
15巻もあるんですか〜〜。
いつの間に。
Posted by くーち at 2008年05月25日 05:09
■くーちさん
そーですよー。
でもこのマンガは単行本の出る間隔が長いので、今から読んでも間に合いますよ(^^)
演奏の描写は「のだめ」より上だと思います。人物描写はあちらの方が面白いですが(笑)

…よければこちらもお貸し出来ますよ?(^^)/
Posted by ぽぽろんろん at 2008年05月26日 21:50
え、お、お借りしていいですか??
わぁい!
えっと、お荷物になると悪いので
少しずつで構いませんので(^o^;)
よろしくお願いしま〜〜す♪
わくわく。
Posted by くーち at 2008年05月27日 07:46
■くーちさん
了解です〜♪
テキトーに持って行きますね〜(^^)
Posted by ぽぽろんろん at 2008年05月27日 21:12
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