※思いっきりラストまでネタバレしてますので、原作未読で映画を楽しみにしている人とかは読まない方がいいですよ!※
※あと、相変わらずの長文です。ごめんなさい※巷の若いもんにケータイ小説が流行っているようで、続々と紙媒体で
出版されたり映画化されたりしてますね。
もちろん私は今までケータイ小説なんて読んだことも無かったから、その知識なんて2ちゃんとかでよく貼られている有名なコピペくらいしか知りませんでした。
これね。
↓↓↓↓
「ギャ!グッワ!待ってくれ!待ってくれ!」
オヤジは、叫んだ。
「許してくれよ!入れたかっただけなんだから」
「バキッ!ボコッ!」
ケンはかまわず殴り続ける。
「ヒッー!助けてー!助けてー!」
オヤジが悲鳴に近い叫び声をあげた。
「お前みたいな奴がいるからいけないんだ!」
ケンが叫びながら殴り続ける。
「ギャー」
オヤジの血があたりに飛び散った。ケンのコブシも血で染まっている。
「世の中!狂ってんだよ!狂ってんだよ!」
ケンの形相は、もうフツウではなかった。その様子を見ていた、ミクも従業員も言葉を失ってしまっていた。思わずミクが言った。
「店長!それ以上やったら死んじゃう!」
「ガッシ!ボカ!」
ケンには、まったく聞こえていない。オヤジも失神したのか動かなくなった。
「キャー、やめて!」
ミクが叫んだ。
「あっ……はい」
従業員が後ろからケンを押さえた。
…Yoshiという人の作品からの引用らしいです。
まぁ、この文章だけ見たら失笑するしか無いのですが、これだけで全部決めちゃうのもよくないしねー。
ということで、「よーし、じゃあおじさんも頑張って読んじゃうぞ♪」と
◇主演:新垣結衣、主題歌:ミスチルで映画化される恋空を読んでみました。
もちろん、本じゃあ無いっす。元ネタのケータイサイトの方で。
↓↓↓↓
◇美嘉のホームページ[魔法のiランド]※ケータイサイトですが、PCでも閲覧可能です。感想ですが、正直言って思ってたよりはマシでした。
上の文章があまりにあまりだったからかもしれないですが、それに比べれば読めました。まぁ文章って言っても会話文がかな〜り多いですし、誰があーした私がこー言ったの羅列が多いのは上のコピペと似たようなもんなので良くも悪くもサクサク行っちゃうんですが。
内容は、“平凡”な
女子高生・美嘉がなぜか結構モテちゃって、恋や友情やその他もろもろに悩んだり喜んだりするストーリー。
自称平凡な女の子がイケメンから2連チャンで告白されちゃって後々2人の間で迷っちゃうってパターンはベタな少女マンガっぽいかな?
そして1人目の彼氏・ヒロはワルなんだけど優しい、2人目の彼氏・優は大人っぽくて優しい、っていうこれまたベタ(苦笑)
んでこういうシチュエーションの場合、
美嘉が最終的にどちらを選ぶか?ってのはもうパターンが決まってるんです。はい、そーですあなたが思ったとおりです(正解は最後まで読めば多分分かります)。
そしてここに絡んでくるイベントとして、レ○プ+輪○はされちゃうし、彼氏と学校の図書室で
ピーーした挙げ句妊娠しちゃうし、そして流産しちゃうし、自傷行為はしちゃうし、シンナー吸わされて男に
ピーーされかけて、そして気付いたら付き合ってる彼が隣で別な女性と
ピーーしちゃってるし、そんなんが物語の最初4分の1くらいまでで怒濤の勢いで繰り広げられちゃうのよね。
展開の早さが異常です。ビックリします。1つ1つのイベントがあっという間に走り去っていきます。
まぁ、苦しいシーンをあまり細かく描写されても困るところはあるし、これはこれでいいのかな?
ピーー描写もほとんど無かったですしね(その代わりキスシーンやその後触れ合ってるところはなぜか結構丹念でした。読者サービス?…とは違うか。そういう目的の作品じゃあ無さそうだし)。
では、いいなと思った点から簡単に。
まず、
美嘉の心理描写がもの凄く細かいです。それこそまさに少女マンガと言いますか。自分の幸せな状況・不幸せな状況に陶酔してポエミーな世界へどんどん突入していきます。
という訳で、美嘉に感情移入してのめり込めちゃう人はすぐに彼女になりきれちゃうので読みやすいです。
主人公視点の描写しか無いこともポイントですね。基本的に美嘉の見たもの・聞いたものしか描写されないので、イヤでも自分が脳内で思い描く風景は美嘉の感じたものになります。言ってみれば美嘉になって物語を読まざるを得ません。
そして、日常の風景で繰り広げられる会話やメールはまんま現代の女子高生な訳でテンポもいい。
他にも、彼氏をめぐる他の女の子とのすったもんだとかクリスマス等のイベントとか、女の子が共感しやすい部分は細かく網羅されてるんで、確かにこれは女子中高生が抵抗無く読めるはずだなぁと。
あとは、
小物の使い方が上手いですね。
「ピース」のおまじないとか、指輪等のアイテムへの意味・思い出の付け方とか、「そこでそれ持ち出してそういう回想に持って行くのか〜」みたいにちょっと感心しちゃいました。
それから、作品中でヒロとの思い出の場所を川に、優では海に設定し、それぞれのキャラクターに重ねたりとか、ちょこちょこ小技を効かせてます。
そうやって伏線も一生懸命回収していて、この辺りは「ただ素人が書いた」というレベルからは1歩抜け出してる感じも受けました。
次に、今イチと感じてしまった部分を長々と(ぉぃ
まずこれは先に書いた長所の裏返しになりますが、
主人公以外の登場人物の描写がほとんど無いのよね〜。そして彼らの言動ってのが対主人公のものしか無いんです。
そしてそのほとんどが主人公に(というかストーリーに)都合のいいような感じ(主人公が虐められたりすることも含めて)。だから人物関係が薄いし狭い。美嘉以外の人物の心理描写が無いのでそれらの人物の行動理由とかそういうのが分からない。文脈から読み取りたくても材料が無い(材料は美嘉の想像のみ)。
まぁ、これまで書いているように美嘉の一人称物語なのでこれはこれでこういうもんだと割り切ることは可能…かな?
ストーリーでツッコミ入れたい部分もちょこちょこと。
まずビックリしたのは、英語が得意という美嘉が大学入試の時に「
過去形のedと、現在進行形のingだけはちゃんと書けた」みたいなことを言っていたこと。
…本当にあんた英語得意?「あれ?これ、
大学受けてるんだよね?
高校入試じゃないよね?」って確認しちゃいましたよマジで。つーか高校入試でもこのレベルは無いか。
そして、他教科はボロボロだったらしいのに
大学合格しちゃってたのがさらにびっくり。
…どんな大学だよ。落ちた受験生はどんなんだよ。まぁ、実際のところ作者は英語はあまり得意じゃなかったんでしょう。と思うしか無いです(でも、参考書引っ張ってくればもうちょいマシな描写が出来たとは思うけどね)。
あと、違和感があったのは美嘉の両親ですね〜。
美嘉が妊娠した時に産ませることをわりと簡単に認めちゃうし、美嘉と彼氏の同棲もあっさりとゴーサイン。
この「
子供にとって都合のいい物わかりの良さ」は私にとってかなりの違和感がありました(同棲はまだしも高校生の出産をそんなにあっさりと受け入れられる?)。
他にも、特に後半部分でツッコミ入れたい部分はちょこちょこと。
まぁでもそれはそれで構わないっちゃ構わないです。多分。
何だかんだでいちばん引いたのは、
ヒロが実は癌を発病していたことをラスト近くで美嘉(&読者)が知った時だわ。
あ〜あ、結局「重病で泣かせよう」パターンなのか…。しかもヒロが亡くなる直前一時退院した時に美嘉と最後に
ピーーしてたので「もしや…」と思っていたらやはり、
彼が亡くなった後に新しい命を授かったことを知るという…。
あ〜あ、ここまでベタでしたか…。まぁ確かに作者は素人さんですしね。「おおっ、このラストはすげーっ!」という感じの意外性のある展開を求めるのも酷でしょう。
恋人が重病になるっていう作品と言えば、白血病の恋人を自分で病院から連れ出しておいてその子が倒れたら「助けて下さい!」と無責任に叫びまくって自分のケツも拭けない自己チューさんのお話がありましたが(こらこら^^;)、それよりは最後の展開も常識の範囲内でしたし良心的と言えましょう。
ただ、この展開で泣けってのは私には無理です。
ヒロの死後に出てきた彼の日記はちょっとじ〜んと来ましたが、そんなに威力は無かったし。
私もここ数年で涙腺はかなり弱くなったんだけど、これは泣けなかったなぁ。
まぁ、私がおっさんだからだろうな。それに私の高校時代はかな〜りボケーーッとしてたし。共感できる部分が少なかったんでしょう。
何より、もっと話の運びの上手い物語をいろいろと見てきちゃっていることも影響が大きいと思われます。
そんな訳で、ここまで書いたのを簡単にまとめると良くも悪くも「
ベタな少女マンガ」(笑)ってことになると思うので、そういうのが好きな人はハマれるかもしれません。もしかしたら泣けるかもしれません。
でもこれ…
買ってまで読む本じゃ無いです(なぜかバカ売れしてるけど)。少なくともハードカバーの意味は全然無い。
◇上下巻とも1,050円てのはぼったくりもいいとこだよこれ。中高生相手に何せこい商売してるんだか。
文庫本で安く売ってあげればいいのに。
売られている本の中身は見たこと無いけど、四方の余白凄いんだろうなぁ。かつて飯島愛の「 プラトニック・セックス」を本屋さんでチラ見した時も余白の多さにびっくりしましたが、ケータイ小説は元々がケータイで読みやすいように改行だらけ・行間空けだらけだからそれを軽〜くしのいでいるのでは?紙、もったいねー。
だからこれ、ハードカバーなんて買わない方がいいです。メリットはケータイ版の誤変換が直ってるだろうってことくらい?
ケータイで読むか文庫本を待つか、それで充分ですよ。
あとマンガ版も出てるんですね。最近は話題になったストーリー作品があると小説・マンガ・映画・
ドラマとあっという間に作られちゃって、「ストーリーもの業界って閉塞感に満ち溢れているなぁ…」と思ったりしちゃいます。まぁいいや。
ということで、ケータイサイトで見ればタダだし未読の人は試しに読んでみてもいいと思いますよー。
…あ、そうだ。
実はこれ、冒頭から「ちょっと合わないかも」という予感はあったのよね。
美嘉の簡単な自己紹介部分で、
中学校から平凡な生活を送ってきた。
普通に友達もいた。
普通に恋もした。
付き合った人数は三人。
とか言っちゃってる時点で私の中学生活とはかな〜り違ってるんで(爆)
中学で3人に恋…する人はするだろうけど、これが普通なのか…。年1回って考えれば普通…なのかなぁ。
そういう意味じゃこの話は私にはハードルが高すぎたのかもしれない(核爆)